あらゆる世代に向けてクルーズの楽しみを提供する、ロイヤル・カリビアン・インターナショナル社。
「あれもこれも叶う国へ」を合言葉に、10年の歳月をかけて夢を実現したオアシス・オブ・ザ・シーズ。
船上初となる公園やアクアシアター、回転木馬な遊び心を満載して、動く街並みというにふさわしい巨大客船がカリブ海に就航している。
潮の満ち引きをイメージした
ライジング・タイド・バー
何倍も広くなったプールエリア
ふりそそぐカリブ海の陽射しが肌を焼く。冷えたトロピカルドリンクを口にすると爽快感が体に広がった。 マイアミから出港地フォート・ローダデールに移動し、乗船した誰もが真っ先にこの紺碧の海と空の洗礼を受けにプールデッキに集う。
- 船上初お目見えのジップ・ラインはスリル満点
- 世界のトップスケーターによるアイススケートショー
オアシスは、とにかく大きいので、このほかにもいくつか洋上初のものがある。本物の草木がそよぐ緑のセントラル・パークもそのひとつ。 さんさんと太陽がふりそそぐ青空のもと、長さ100mの公園を散策する。ピクニック気分を満喫したら、総ガラス張りの「キャノピー・バー」で 冷えたカクテルを、あるいは、3デッキ下のロイヤル・プロムナードを上下する「ライジング・タイド・バー」でシャンパンなどもおしゃれだ。
さらに洋上初のものは、デッキ6後方のボードウォークに登場した回転木馬。そして、同じデッキ船尾にある巨大野外円形劇場の「アクアシアター」だ。 シンクロナイズド・スイミングや水中バレエ、飛び込みや噴水ショーなど、今までにないアクロバチックでダイナミックなショーが毎晩繰り広げられる。 2つのダイビング・タワーの間には大きなトランポリンが設置され、プロの体操選手や曲芸師による飛び込みが行われ、深さ5.4mのプールに水しぶきが上がる度に大歓声が湧いた。
このほかに、世界中のオーディションで選ばれたアーティストが繰り広げるブロードウェイ・ミュージカルを上演するシアターやアイススケート・ショー、 プロムナードではシュレックやカンフーパンダのキャラクターが登場し、どれも見逃せない楽しみだ。
- 和食「いずみ」の石焼ステーキ
- シックなバーやブティックが並ぶロイヤルプロ
ムナード
- ナッソーでのパラセイリング
- ボードウォーク・バーとアクアシアター
船内で最もエレガントなレストラン「150セントラルパーク」を率いるのは、世界のコンテストで数々の金賞を受賞している、若干25歳のアメリカ人女性シェフのラースフェルトさん。 これらの特別レストランはカバーチャージが必要だが、ピッツェリアやビュッフェなど多くの店の料金がクルーズ代金に含まれており、どこで食べるか選択肢の多さに迷うところだ。
食の豊かさもさることながら、日本人にとってうれしいのは、メインダイニングに日本語のメニューがあることだ。また、乗船時に日本人スタッフによる船内説明会があるほか、 船内のイベント情報や寄港地案内などを載せた日本語の船内新聞や、日本人コーディネーターが乗船している(9/15, 12/8, 1/19, 2/2, 3/16出航限定)のも心強い。
このようなきめ細やかなサービスを提供するロイヤル・カリビアン・インターナショナルは、最大客船をはじめ洋上初となるさまざまな施設を生み出し、常にクルーズ業界に話題を提供し続ける世界最大のクルーズ会社。 2009年12月就航のオアシスに続き、2010年12月には、さらに巨大な22.5万トン、乗客6000人のアリュール・オブ・ザ・シーズも就航させた。 現在、この両船が、ナッソー(バハマ)、シャーロットアマリ(セントトーマス)、フィリップスバーグ(セントマーチン)、ラバディ(ハイチ)、ファルマス(ジャマイカ)、コズメル(メキシコ)などを巡る、 7泊8日の東西カリブ海クルーズに就航している。
一般に、クルーズは海側ベランダ付きの部屋が良いとされる。 だがオアシスやアリュールに限っては、セントラル・パークやボードウォークを見下ろすベランダ付き内側の部屋も見逃せない。 滞在したデッキ11の部屋から眺めると、真下に回転木馬を囲んでボードウォークを埋めた人、人、人。子供から大人まで楽しんでいる様子が手に取るように分かる。 その後方には、光のページェントに彩られたアクアシアターの煌めくショーが展開され、極上のひと時をもたらしてくれた。
オアシスには全部で38カテゴリーの部屋があり、最高級は2階建てのロフトスイートで、141.6㎡と実に広く、これも洋上初となる。
- ロフトスイートなど38の客室カテゴリーがある
カジノに集い、スパで心身ともにリフレッシュし、4デッキ吹き抜けのロイヤル・プロムナードのブティックで買い物を、コーヒーを楽しむ。 いつしか洋上にいることを忘れてしまい、気がつけば7泊8日のクルーズも終盤に。遊びきれない日々がアッという間に過ぎたカリブ海クルーズだった。
文・写真 ● 高島 史於
Text & Photo by Foumio Takashima
取材協力=(株)ミキ・ツーリスト