クルーズ体験レポート④

ゴールデン・プリンセス アラスカ氷河と自然を満喫アラスカ・クルーズ

世界3大クルーズ・エリアに挙げられるアラスカ・クルーズ。
目の前に迫る巨大な氷河は、圧倒的な迫力を持って誰をも魅了する。
マリナーズの本拠地シアトルからゴールデン・プリンセスに乗って
アラスカ・インサイドパッセージ8日間のクルーズを楽しんだ。

シアトル出港右端の黒い建物がセイフコ・フィールド
シアトル出港
右端の黒い建物がセイフコ・フィールド
ジュノーではサーモンベイクでバーベキューを
ジュノーではサーモンベイクでバーベキューを
メンデンホール氷河。大自然のスケールに釘付け
メンデンホール氷河。大自然のスケールに
釘付け
6月のシアトルはよく晴れていた。港には10万9000tのゴールデン・プリンセスが横たわっている。日本最大のクルーズシップ「飛鳥Ⅱ」の約2倍の大きさで、まるでビルが立ちはだかっているようだ。

乗船して早速14デッキのリド・デッキへ行き、デッキチェアに寝そべってみた。高層ビル群やシアトル・マリナーズの本拠地、セイフコ・フィールド球場がよく見えた。 人気のアラスカ・クルーズへの期待感に乗客の顔も晴れ晴れとしている。

世界で最も多くの氷河があるというアラスカ。カナダのバンクーバーからアラスカのスキャグウェイまでの約1600kmは、インサイド・パッセージと呼ばれ、数千の島々が絶え間なく続くフィヨルド地帯。 風光明媚なこのあたりの海域は非常に穏やかで、多数の豪華客船が行き来する人気エリアである。

16時にシアトルを出港すると、船は西海岸沿いに北上する。途中、アラスカの州都で郊外にメンデンホール氷河があるジュノー、かつてゴールドラッシュに沸いた名残が見られるスキャグウェイ、 ネイティブアメリカンのトーテムポールが有名なケチカン、そしてカナダの美しい町ビクトリアに寄港しながらの船旅だ。

自然の驚異の大氷河とホェール・ウォッチング アラスカ・クルーズの魅力は、第一に船上から氷河や自然、動物たちを目の当たりにすることだ。 次に、各寄港地でのショアエクスカーション(小旅行)だろう。アラスカ・クルーズは、他のエリアに比べてそのメニューが圧倒的に多い。寄港地での滞在時間が比較的長いこともあり、 動物を見に行く、ヘリコプターでの釣り、氷河の上に降り立つ、トレッキングをするものなど魅力的なコースが目白押しで、金額も30ドル台から900ドル台まで幅があり、どれを選ぶか迷ってしまう。
あたりに氷河が漂う中、デッキで大きななチェスを楽しむ人も
あたりに氷河が漂う中、デッキで大きななチェ
スを楽しむ人も
たまにはメインダイニングでなくステーキハウスで
たまにはメインダイニングでなくステーキハウスで
ナッソーでのパラセイリング
船内の日替わりバーゲン

(左)ハイティーでクッキーをどうぞ、と明るいるいスタッフ
(右)シャンパン・ウォーターフォールでは女優のように

(左)ハイティーでクッキーをどうぞ、と明るいるいスタッフ(右)シャンパン・ウォーターフォールでは女優のように
ジュノーには3日目の12時に到着。22時出発まで10時間の停泊だ。ここでは「サーモンベイク」で鮭のバーベキューを楽しむコースと「海と陸のフォトサファリ」コースに参加した。 メンデンホール氷河観光後ボートでのホェール・ウォッチング、白頭ワシやアザラシなどにも出合うというツアーにプロカメラマンが同行、撮影ポイントなど指導してくれるコースだ。

メンデンホール氷河は度肝を抜かれるほどの大迫力。ジュノー・アイスフィールドから流れ出る氷河がメンデンホール湖へ落ちて、湖面上には神秘的なブルーの氷壁が立ちはだかっている。 高さは約30m。自然の力を見せ付けられ、思わず息をのんで立ち尽くすだけだ。ジュノーではメンデンホール氷河を見るべきだと思った。

ホェール・ウォッチングでは何頭ものクジラを見た。「あっ、あそこ!」「あっちにも!」誰かが指差す。と、黒い背中が少し見えるだけで、ザッパーンと跳ね上がる姿は見えない。 ましてカメラに収めることは至難の業。それでも遠くに見える鯨の背中から白い潮が噴き出しているのが見え、シュルシュルという音というか地響きのような振動がボートまで伝わってくる。 迫力満点の体験に参加者の顔も上気していた。

船が揺れないから可能なシャンパン・ウォーターフォール ゴールデン・プリンセスはまさに巨大なホテルがそのまま移動しているようだ。揺れはほとんど感じない。レストランは3つのダイニングルームのほか24時間オープンのカフェテリア、 イタリアン、メキシカン、ステーキハウスもある。夜食やハイティーも楽しみだ。 外は氷河でも、船内は暖かい。フォーマルに装う日には肩を出して思い切りおしゃれをしたい。 ただ、ショールなど羽織るものがあると便利だ。

さて、カジノも豪華なショー、ビンゴゲームなどのアトラクションもクルーズ気分を盛り上げるが、 ゴールデン・プリンセスでなんといっても人気のイベントが、「シャンパン・ウォーターフォール」。最後のフォーマルナイトの晩、5デッキのグランド・プラザにシャンパングラスが高く積み上げられ、 シャンパンが注がれる。船上なのにこれほどグラスを積むことができるのは、この海域の揺れがいかに少ないかを物語っているのだ。

シャンパンサービスのあと、希望者にはシャンパンを注ぐ写真を一人ずつ撮ってくれる。セレブ気分が味わえるし、後で写真を購入できるので、ぜひ参加をおすすめしたい。 その後は打ち解けた乗客が輪になって踊ったり、バーでお酒を楽しんだり、ディスコへ行くなどして、熱い夜は更けていった。

文・写真 ● 関川 由都子
Text & Photo by Yutsuko Sekigawa
取材協力=(株)クルーズ・バケーション

スタッフおすすめツアー

プリンセスクルーズで行くアラスカ・デナリ国立公園 11日間 プリンセスクルーズで行く
アラスカ・デナリ国立公園 11日間
ベテラン日本語添乗員がご案内する、クルーズと鉄道で楽しむアラスカの旅! 大氷河が目の前に迫るアラスカ沿岸をダイナミックにクルージングで楽しんだ後、人気のアラスカ鉄道・ドームカーに乗車。 北米最高峰のマッキンレー山と世界遺産デナリ国立公園を訪れます。クルーズではバルコニー付きのキャビン、デナリではプリンセスクルーズ所有の人気ロッジに宿泊します。
● 出発日 : 7月14日(土)
● バンクーバー発 フェアバンクス着代金:$4685