ニューヨークでスポーツ観戦
ニューヨークは意外にもプロスポーツが盛んであることはあまり知られていませんが、1年を通じてメジャーリーグ、バスケットボール、ホッケー、USオープンテニス、マラソン、フットボールなどの観戦が楽しめる数少ない都市なのです。まず春にメジャーリーグが開幕し、それが落ち着く頃には今度はフットボールが開幕し、今度はそれを追うようにホッケーとバスケットボールが順々に開幕していきます。それらが落ち着く頃には、メジャーリーグの春季キャンプの話題が出始め、またスポーツのシーズンが始まっていく・・・そんなニューヨークのスポーツの一部を少しだけご紹介いたします。
MLB - メジャーリーグ・ベースボール
ニューヨーク州のクーパースタウンで始まったベースボールはアメリカ人の国民的なスポーツです。日本の野球観戦とは一線を画し、観戦というよりも「ゲーム(エンターテイメント)の一部になる」といった雰囲気があります。バックネット裏には保護用のネットがあるものの、ファールになる部分にはフィールドと客席の間に保護ネットがないところがほとんど。怪我をしても観客自身の責任において、というのは周知の事実です。試合が始まったら、ぜひ好きな選手やチームには恥ずかしがらずに大きな声で応援しましょう! 逆に嫌いな選手や相手チームには思いっきりブーイングしましょう!
市内のブロンクス区にはヤンキース。クイーンズ区にはメッツと、ブルックリン区やスタテンアイランドにはそれぞれのマイナーリーグの球場もあります。まさにニューヨークは野球の聖地なのです。また『野球の殿堂』があるクーパーズタウンは全米から多くのファンが訪れます。ニューヨークのアップステーツ、車で数時間の所にあります。
ニューヨークヤンキースは2009年、松井選手のMVPを取るといった大活躍でワールドチャンピオンに輝いたのは記憶に新しいところです。そんなヤンキースも、創立は1901年、100年以上の歴史を持ち名残惜しい旧ヤンキースタジアムから隣に新球場を移転してから今年で2年目です。人気のあるベテラン選手から若手の選手まで、目の離せない選手たちが多く、常にワールドチャンピオンになるというというのが唯一の目標である彼らに課せられた今年の目標は、ワールドシーリーズ連覇! ぜひそんなヤンキースを応援しに行きましょう!
Yankee Stadium
1 E 161st St
Bronx, NY 10451
球場への行き方
ニューヨーク・メッツは1962年に創設されたチームで本拠地はニューヨーク市内のクイーンズ区にあるシティーフィールドです。メッツも2009年に新球場を携えシーズンに臨みました。日本には馴染みのあるバレンタインが過去に監督をしていたことをご存知の方も多いでしょう。ファン層はヤンキースファンとはちょっと雰囲気が違い、庶民的でアットホーム、家族連れが多いです。球場の食べ物も日本ではなかなか味わえない“濃い”ものばかり。今年はミラクルメッツが見られるのか! 乞うご期待です。
Citi Field
123-01 Roosevelt Ave
Queens, NY 11368
球場への行き方
メジャーリーグの歴史の中、数々のスターが名前を歴史に刻んでいます。メジャーで伝説を残した選手・マネージャー・チーム等を祭り上げているMLB殿堂はマンハッタンから離れた郊外にある。時間があったら是非行ってみよう。
American Baseball Hall of Fame
25 Main St
Cooperstown, NY 13326
公式サイト
NBA - ナショナル・バスケットボール・アソシエーション
過去のオリンピックでアメリカのプロバスケットボールプレーヤーが活躍してから、一時はマジック・ジョンソンやピッペンなどの人気選手がいた時代もあり、日本でも知名度があがったNBA。シーズンは11月からで、東西それぞれから選ばれた8チームが首位を争い、さらに東西の首位同士が対決します。日本のそれとは比べ物にならない、大男たちがボールを追いかける様は日本では絶対に見れません。
NBAのチームがプレーするスタジアムは都市の財産であることが多く、バスケの試合だけではなく、有名アーティストのコンサートなど様々なイベントを開催しておりますので、バスケが興味ない人も是非チェックしてください。
1949年に創立のニューヨークニックスの正式名称は意外と知られておらず、本当は“ニューヨーク・ニッカーボッカーズ”と言います。最近はかつての強さがやや低迷しているものの、本拠地のマディソンスクエアガーデンはイベント開催のランドマークとなっている建物で、過去にはエルビスやマドンナ、スポーツではボクシングやテニスまで幅広く催され、日本の大相撲もここで開催されました。本場のNBAの試合は事前にチケットを手配すればミュージカルと変わらない値段で観戦できますが、客席数が少ないので当日券狙いは避けたほうがいいでしょう。
Madison Square Garden
4 Pennsylvania Plaza
New York, NY 10001
スタジアム公式サイト
ブルックリン・ネッツは、マンハッタンのお隣、ニューヨーク五区の一つであるブルックリンのバークレーセンターで試合をするNBAチーム。過去はニュージャージー・ネッツという名前で、隣の州でプレーしてましたが、オーナーが変わり、2012年夏にブルックリンに引っ越しています。2005〜2006シーズンで5年連続プレイオフ進出を果たし、通産15回目のプレイオフ進出となりました。この年以降はやや低迷気味ですが、反対にチケットは取りやすくなっているので、お得に観戦したいなら今しかありません。
Barclays Center
620 Atlantic Ave
Brooklyn, NY 11217
スタジアム公式サイト
NHL - ナショナル・ホッケー・リーグ
NHL(ナショナルホッケーリーグ)は米国とカナダのチームを中心とした、ホッケーリーグです。日本でも数年前にホッケーを題材としたドラマが放映され、広く知られるようになりました。ヨーロッパなどからも優秀選手を獲得することも多く、名実ともに世界最高峰のアイスホッケーといっていいでしょう。寒い所でしかやらないのかと思いきや、面白いのは暖かい常夏の都市のチームもあるということ。アナハイムやサンノゼ、ロサンゼルス、フロリダなどのチームもあります。
ニューヨーク・レンジャーズの本拠地は、NBAニックスと同じ多目的施設・マディソンスクエアガーデンです。その都度、NBAとNHL用に内部が作り変えられるのが、なんとも無駄な・・・と思わなくもないですが、これもスケールの大きいアメリカのスポーツだからできること。レンジャースはボストンのブルーインズとともに古豪人気チームです。レンジャースのコアなファンはブルーシーツ(Blue Shirts)と呼ばれます。
Madison Square Garden
4 Pennsylvania Plaza
New York, NY 10001
スタジアム公式サイト
ニュージャージー・デビルズの本拠地はニュージャージ州のプルーデンシャル・センター。こちらも多目的なアリーナです。時期によってはコンサートやサーカスなども行われます。スタンレーカップとよばれる最高位決定戦でも、3度王者になっていて、2009~2010シーズンは好調で、地元の期待を背負っています。
Prudential Center
25 Lafayette St
Newark, NJ 07102
スタジアム公式サイト
US Open - 全米オープンテニス
USオープンテニスは、世界レベルの日本人選手が活躍することも多く、日本でも人気のあるプロスポーツの一つです。グランドスラムといわれる、世界テニス4大大会のひとつでプロスポーツのなかで賞金金額が一番高いことでも有名です。USオープンの開催場所はメジャーリーグ・メッツのホームに程近いUSTA(全米テニス協会)のナショナルテニスセンター。大会は8月末から開催され、9月の初旬ごろに決勝戦が行われるトーナメント制です。決勝戦ともなると、フィールドから一番遠い4階席でも$100ほどのチケット料金となります。
おすすめは開幕から始まる予選。どの選手も、客席と同じ目線のテニスコートで予選試合をします。通常は、昼部・夜部チケットの2部構成となり、日中のチケットを買うと、朝の試合開始から、夜の部が始まる時間まで、1日中観戦できます。観戦に疲れたときは、室内施設で食事するもよし、観客向けのゲームに参加するもよし。選手の組み合わせはその日の結果などで頻繁に変わるので、人気選手目当てで行くとなかなか合わせるのが難しいですが、選手の汗が見えるのほど間近で観戦できるのも、USオープンならではの醍醐味です。試合後には、選手が気軽にサインに応じる姿もよく目にします。
ニューヨーク・シティーマラソン
ニューヨーク・シティーマラソンは2009年で40回目を迎えました。ランナーにとっては一生に一度は参加してみたいニューヨーク市5つの地区を走破する憧れの巨大イベントで、NYRR(ニューヨーク・ロード・ランナーズ)という団体が総指揮をとっています。1970年に始まったNYマラソンの参加者はわずか127人。それが今や、4万人以上のランナーが参加し、応募人数について言えば30万人以上、沿道を埋め尽くす応援は200万人以上といわれています。まさに、ニューヨーク市全体がこのイベント一色となります。
NYRRの創始者であるフレッドリー・ボウは、ニューヨーク・マラソンの父と言われ、2008年にはドキュメンタリー映画が公開されたこともあります。第一回目大会の優勝者はゲーリー・マルカで、彼はその時の流れでたまたま走った夜勤明けの消防士だったそうですが、これがきっかけで今はマンハッタンを中心にいくつものランナーズ・ショップを展開する、スーパーランナーズショップの経営者だそうです。マンハッタンをジョギングしていると、同じくジョギングしている彼に遭遇することも珍しくありません。ランニングシューズを持参して、マンハッタンやセントラルパークをジョギングや散歩するのも、ニューヨークのお薦めの楽しみ方です。